口臭とは、会話や呼吸で吐き出した息が他人の鼻で不快に感じられるもので、"におい"の種類や感じる人の精神状態によっても評価は違ってきます。一人や二人ではなく多くの人が不快と感じるような口の‘におい’こそが口臭といえるものです。
口臭は､生理的な口臭と悪臭を伴う病的な口臭とに分かれます。まずは、生理的な口臭とは、起床時や空腹時に発生する口臭、緊張した時の口臭、月経時の口臭、喫煙や食物の摂取による口臭などがあります。においの強さに違いはありますが、だれにでもあるものですから、あまり神経質になる必要はないでしょう。
問題なのは､もう一つの病的な口臭です。その原因には、全体的因子と局所的因子があります。全体的因子としては、１．気道性口臭　２．消化管性口臭　３．代謝性口臭　などがあります。これらが原因の場合は、口臭だけではなく､他にも自覚症状があると思われますので、耳鼻科医や内科医などの専門医に一日もはやく相談してください。
局所的因子としては、歯科疾患があります。これは､口臭の原因の８0〜９０％を占めるといわれています。特に、辺緑性歯肉炎､歯周炎、虫歯、口腔粘膜の急性炎症などが主な原因とされています。口臭の予防として必要な事は、やはり徹底した歯磨きです。自分では磨けているつもりでも、実際には磨き残しが結構あることが多いので、気をつけてください。
最後に、口臭を気にしている歯科医院を訪れる患者さんのなかで、実際には口臭がないのに自分自身は臭いと思い込んでいる場合があります。これは、自臭症といいますが、この原因は精神的なもので、うつ病や対人恐怖症の場合に多いようです。このような時も､専門医に相談された方がよいでしょう。

漢方では口臭の直接的原因は、胃の熱によるものと考えます。但し間接的な原因は沢山あります。
体質的に「津液（身体に必要な水分）」が不足することで発生する場合も有りますし、他覚的には口臭が認められないのに、自分では口臭があるように感じる「自臭症」もあります。
漢方では「自臭症」も身体のバランスが崩れて生じるものと考え治療しています。