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一口に漢方と言いましても多種多様です。ここでは、最もポピュラーな「人参」についてご説明していきたいと思います。

●人参にまつわる話しと名前の由来
「人参」というと、八百屋で売っているあの赤い「食用のにんじん」をまず思い浮かべる人も多いでしょう。この赤いにんじんはセリ科の植物で、カロチンをたくさん含んだ野菜です。

もうひとつ、漢方薬として使う「薬用」の「人参」があります。日本では「朝鮮人参」、「高麗人参」と呼んでいる朝鮮人参が一般に良く知られています。「薬用」の「人参」は、ウコギ科の植物で全く別のものです。「薬用人参」は、今から1300年も昔、天平時代に中国東北部で栄えていた渤海国から日本に伝えられ、江戸時代には日本でも栽培されるようになりました。

人参にまつわる話しはたくさんあります。その一つは、人参は子供の「精血」(生命の源)」が変化してできたものだという説です。最も滋養・補益作用が強いと言われていた人間の血や肉が変化してできたものだと考えたからです。また、道教の教祖とされる老子も「人参が人間の病気を治療できる」と述べています。このように、文明の始まりの頃から人類が人参の「薬」としての働きを知っていて人参に神秘性を感じ、その後もずっと中国や韓国・朝鮮はもとより、日本などの東洋諸国で、人参が不老長寿「抗老防衰」の万能薬として珍重されてきました。

●四大人参とは・・・
人参はどんなイメージを持たれているでしょうか。元気がない、疲れやすい、血色が良くない、冷え症である、胃が弱い、病気がち、発育期である・・・、そんなときに「人参がいい」と服まれてきました。人参は、漢方薬や中国の薬に多くある強壮薬の一つです。丈夫で疲れず、精力的に活動し、老化の進行をできるだけ防ごうという目的で使われます。
朝鮮人参、西洋人参、田七人参、シベリア人参の四大人参は、それぞれこの強壮効果を持っています。

朝鮮人参
朝鮮人参の主な産地は文字通り朝鮮半島です。朝鮮民族の方々が多く住んでいる中国の東北地方でもとれます。昔から朝鮮の野生の人参が一番良いとされてきました。そのため、朝鮮人参と名が付けられたのです。

<特徴>
・四大人参の中では補気作用が一番強く、「大補元気」「補薬の王」と呼ばれ、元気を補います。疲労を回復し、抵抗力をつけます。
・中枢神経を興奮させる作用があって、ショック状態から回復させます。
・薬としての性格は「温」で、体を暖め、新陳代謝を盛んにします。
・血糖値を下げる作用、性腺ホルモンの分泌を促進する作用、強心作用が著しくあります。


西洋人参
西洋人参は、あまり耳慣れない人参かもしれません。日本でよく知られるようになったのは数年前という、日本ではまだ馴染みの薄い人参です。
しかし、中国では「政府の要人や役人、お金をたくさん持っている人たちは、大抵毎日飲んでいます。特にスポーツ選手では、むしろ飲んでいない人を探す方が難しい」といわれるほどで、ブームになっています。

<特徴>
・薬としての性格は「涼」で、体の働きを元気にしながら中枢神経を抑制し、沈静化させる。
・「補気養陰・清火生津」といわれ、足りない「気」を補って体を元気にする。
・栄養分に富んだ水分を生みだし、体液を補給し代謝をスムーズにする。


田七人参
田七人参は、中国の南、雲南省から広西省にかけての海抜1200〜1800メートルの限られた地域でしか採れない特産品です。
田七人参の素晴らしい効き目と貴重品であることから、かつては「門外不出」で、別名「金不換」(お金に換えられない)とも呼ばれていました。他にも「三七」「田三七」など、いくつかの別名があります。

<特徴>
・出血を止め、傷口をしっかり癒合する。しかもお血を流動性のものに変え、または体に吸収させる。
・冠状動脈を拡張させる田七ケトンの働きにより、心臓の負担を減らす。また、血液中のコレステロールを減少させる。
・抗ウイルス作用と、肝臓の血液循環をよくする作用が肝炎に有効。
・体内の脂肪代謝を活発にして肥満予防や改善に効果。
・ガン細胞を攻撃する免疫機能を高めて活性化させる。


シベリア人参
シベリアは、人間が住居できない過酷な寒さの広大なツンドラや大河があるところです。そうした過酷な環境の中においても強い生命力を持ち、そこに自生する植物があります。
旧ソ連邦科学アカデミーの薬用植物研究所は、この植物について薬用資源となるかどうかの調査研究をし、そこで発見されたのがシベリア人参の原植物エレウテロコック(命の根)です。

<特徴>
・アダプトゲン(環境適応源)作用により、体の適応能力を高め体を保護。特にストレスに対する抵抗力の増大強。
・温性の強壮作用で、精神安定(安神)・鎮静・安眠・自律神経調整の作用があり。
・長期間服用しても内臓に対して何らの障害、副作用を起こさない。


●四大人参比較表
品名 薬味 薬性 効能と特徴 主に使用する
疾患・症状
朝鮮人参 甘・微苦 微温 「補薬の王」と言われる・新陳代謝を盛んにする・中枢神経を興奮させる・免疫機能を増強する・人体の適応能力を高める など 冷え症・胃腸虚弱・疲労・体力低下・記憶力減退・性機能低下・インポテンツ など
西洋人参 苦・微甘 熱を冷まし、体液を生じる・鎮静作用・血糖値を降低する・免疫機能の調節作用・環境への適応能力を高める 糖尿病・高血圧・更年期障害・夏バテ・スポーツ・精神不安・イライラ・喉の渇き・ほてり・のぼせ・寝汗 など
田七人参 甘・微苦・辛 微温 血液の循環を改善する・止血作用・鎮痛消炎作用・冠状動脈を拡張し、心臓機能を改善する・肝機能保護作用・免疫機能の調節作用 など 各種の出血・打撲・産後・生理痛・片頭痛・肥満・肝炎・狭心症・関節リウマチ など
シベリア人参 微苦 アダプトゲン(環境適応源)作用・抵抗力の増強作用・睡眠調節作用・視覚機能を改善する・労働能力を高める作用 など 不眠症・冷え症・更年期障害・目の疲労症・疲労・体力低下 など

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